小学館からは、
(小学生用漢字辞典を除けば)
漢和辞典が2つ出ています。
1つは、この「現代漢語例解辞典」(以下、「例解」)
もう1つは、「新選漢和辞典」(以下、「新選」)
「例解」の方が後発(初版1992)なのに2001年の2版で止まっている
のに対し、
「新選」(初版1963)は2012年の8版まで来ており、
さらに「2022新装版」(中身は2012の8版と一緒)まで売られていて、
推され具合が全然ちがうんですね、これが。
「新選」は、オーソドックスなのがいいんでしょう。
たしかに、漢字はもう増えることはないから、
素性が良ければ大きな手直しの必要がないのは分かります。
1959年の三省堂・明解漢和辞典だって、今でも大過なく使えるし。
でも、2010年には「常用漢字の見直し」という大きなイベントがあったのに、
それを過ぎても改訂なしに、付録で済ませられている「例解」は、
会社から完全に見放されていると思われ・・・・・・
とはいえ、そんな「例解」には、
ほかのどの漢和辞典にもない特徴があるんです。
部首毎の並べ方とか、熟語が親字の意味別に並んでいるとか
いうのも良いところなんではありますが、
それにもまして独創的なのは、
―万葉仮名の読みが載っていること―
たとえば
「遊」には、「万葉仮名では音を借りて『ゆ』」
「道」には、「万葉仮名では訓を借りて『ち』」
とか。
まあ、普通はほとんど用がないとは思われますが・・・・・
というわけで、
万葉仮名の読み方を拾い読みしていくだけでも、
とっても楽しい「例解」なのであります。