辞書を読む生活

ありとあらゆる辞書が好き(ただし、好みはある:手抜きは嫌い)

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

国語辞典比較:「根暗」と「陰キャ」

小学5年生の少年に、朝比奈あすかさんの「君たちは今が世界(すべて)」を読ませていたら、 「『ネクラ』って、なに?」 と質問された。なるほど、たしかに最近聞かない気がする。すでに死語? 国語辞典で「根暗(ねくら)」を引いてみると、 ◎岩波国語辞典…

国語辞典比較:「自己同一性」は載っているか

「アイデンティティ」という言葉が広まったのは、いつ頃からだろう。 最初の頃、意味がつかみにくくて困った記憶がある。「自己同一性」と訳されたって、それでは何も分からなかった。 ▶岩波国語辞典初版(1963) には存在しないが、日国には1970年の用例が…

「いちおう現行」でも、すでに死んでいる国語辞典・漢和辞典

国語・漢字界隈では、2000年のJIS漢字コード改正、2010年の常用漢字表改定は、地殻変動にも等しい大変革。 これらを乗り越えられなかった(つまり、それ以降に改訂されていない)辞書はーー時代を超える大部な「大辞典」を除いてーーたとえ現行品として販売…

国語辞典・漢和辞典比較:虎穴に入らずんば…

虎穴に入らずんば( )を得ず ( )に何が入るか。ワタクシは、ずっと「虎児(こじ)」だと思っていた。 ところが、漢和辞典にはどれを見ても「虎子(こし)」と書いてある。たとえば ▶漢辞源6版(2018) 「不入虎穴不得虎子」(コケツにいらずんばコシをえ…

「漢文用」の漢和辞典で「使える」ものはあるか

日本語に、漢文の要素が大量に入っているというのは、今さら言うまでもない。明治以前、「教養」「学問」「公文書」といえば漢文だったのだから当然。 だからその子孫たる現代日本人としても、「日本の古典」の一環として、漢文は知っておくべきだし、わざわ…

中学受験生・中学生・高校生にとって、電子辞書は使う価値があるか。

「小中高生は電子辞書を使ってもいいのか」という話はよく聞く。 だが、「小中高生にとって電子辞書は使う価値があるか」という話は聞かない。 ワタクシは、使う価値のあるものなら大いに使うべきだと思っている。 だから問題は、「使う価値があるか」 問題…

国語辞典比較:「~にさわる」のか「~をさわる」のか

「~をさわる」という言い方を、最近耳にすることが多いけれど、耳ざわりで仕方がない。「~にさわる」じゃないのか? で、辞書くんたちに訊いてみた。 ▶岩波国語辞典5版(1994) さわる【触る・障る】①(体の一部、特に指や手のひらや足先などが)物に(軽…

中学受験生・中学生・高校生におすすめの辞書(と、やめた方がいい辞書):まとめ

なんだか、ろくでもない辞書が世に流布している気がするので、売れていようがいまいが、「いい辞書」を、世界の片隅から主張しておく(◎印)。 「×」は、すすめている人がいるけどダメな辞書。 それぞれ、理由の詳細は、過去記事をご覧あられませ。 【中学受…